近年、補聴器の選択肢として「RIC(レシーバー・イン・カナル)タイプ補聴器」が圧倒的な注目を集めています。
その人気はデータにも裏付けられており、「JapanTrak 2022」の調査報告によると、日本の補聴器所有者におけるRIC補聴器の所有率は43%で、最も高い割合を占めています。これは、補聴器装用者の約2.3人に1人がRIC補聴器を選んでいるという驚きの事実を示しています。
今回はRICタイプ補聴器が好評を得ている理由を紐解いていきたいと思います。
JapanTrak 2022が示すRIC補聴器の存在感
補聴器装用者の2.3人に1人がRIC補聴器を選んでいる?!
JapanTrak 2022調査報告によると、日本の補聴器所有者における RIC補聴器の所有率は43% で、最も高い割合を占めています。

▼出典:JAPAN TRAK 2022,一般社団法人 日本補聴器工業会
補聴器ライフを楽しもう! 【一般社団法人日本補聴器工業会】
調査結果の発表ページはこちら
では、なぜこれほどまでにRIC補聴器が選ばれているのでしょうか?
RIC補聴器が選ばれる理由を探っていきたいと思います。
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音が効率的に届く
まず一見、普通の耳かけタイプと同じようですが、RICタイプは補聴器から出る音声が耳・鼓膜に『効率的に』届きます。それは音声を出力する部分が構造上耳かけタイプと異なるからです。
上の写真を見ていただくと、その差がおわかりかと思います。
耳かけタイプが音声出力部(レシーバー)からチューブを通じて空気伝達で耳・鼓膜へ補聴音を伝えるのに対してRICタイプはレシーバーが耳せんと一体になっており、音声出力部より補聴音を鼓膜へダイレクトに出力します。

よって、RICタイプは音声を減衰させることなく鼓膜に届けます。
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より自然な装用感
『装用感の自然さ』は重要な要素になります。
補聴器はどのタイプも耳の中に耳せん、あるいは補聴器本体を入れて使用するわけですが
そのことによって、初めて補聴器をご利用になる方はどうしても装用している耳に圧迫・閉塞を感じてしまいます。
RICタイプは 使用する耳せんにも圧迫・閉塞感を感じないようにオープンタイプの耳せんを使用しますのでより爽快な使用感となり、この点においても補聴器をはじめてお使いになる方でも違和感なくご使用していただける要素となっています。

また耳に掛ける部分において、従来の耳かけタイプのしっかりとしたフックは眼鏡をかけるときに邪魔になりましたが、RICタイプの耳にかかる部分は非常に細くなっているので、眼鏡を掛けても邪魔になりません。その上、補聴器本体そのものも小型で軽量になっておりますので耳に掛けていても重さを感じにくくなっています。
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デジタル処理〜音声解像度の向上
補聴器の構造や装用感にプラスして、聞き心地をよくしているのはやはり音声の『デジタル処理』によるものです。
『デジタル処理』の機能
●お一人お一人の聴力に対して細かくフィッティングする
●騒音や不快音の抑制・顔を向けた相手の声を聞き取りやすくする指向性の精度向上
●ピーピー音(ハウリング)の抑制
以上は初めて補聴器をお使いになる方にとって、より安心して補聴器をご使用いただくための欠かせない要素です。(穴の開いた耳せんなのに音漏れによるハウリングが起きないのも『デジタル処理』の性能向上のおかげです。)
これらの要素がはじめて補聴器をお使いになる方でも抵抗感なくご使用いただける理由ではないかと思います。実はいままで補聴器を試して、圧迫感などが気になって補聴器に馴染めなかった方々にもRICタイプ補聴器はご好評です。
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充電式補聴器の登場
これまで補聴器は電池駆動が主流でした。電池の種類はボタン電池で、補聴器専用の空気電池を使用します。
しかし、電池の直径は約7ミリと小さく、交換が大変でした。

そこで最近では充電式の補聴器が主流となっております。電池交換が不要となり、「交換が大変・・・」といったストレスから解放され、手軽に充電ケースにセットするだけで補聴器を使用できる利便性も、人気の大きな要因です。

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幅広い聴力レベルに対応できる柔軟性
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軽度から中等度難聴への適応
RIC補聴器は、小型で目立ちにくいデザインでありながら、音質が自然で開放的な装用感が得られるため、特に軽度から中等度の難聴を持つ方々に最も適しています。オープンタイプの耳せんを使用すれば、自分の声がこもって聞こえる「閉塞感」も軽減されるため、初めて補聴器を使う方でも違和感なく使用開始しやすいのが大きな利点です。
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重度難聴への対応力の向上
技術の進歩により、近年では重度難聴にも対応できるモデルが増えています。
- 高出力レシーバーの登場: より大きな音を出すことができるハイパワー(HP)レシーバーが開発され、これをRIC補聴器に搭載することで、高い増幅が必要な重度難聴にも対応可能となりました。
- カスタムモールドとの組み合わせ: また、単純な耳せんではなく、個人の耳型に合わせて作成する**カスタムモールド(耳せん)**と組み合わせることで、音漏れ(ハウリング)を防ぎつつ、必要な音量をしっかりと鼓膜に届けられるようになっています。
これにより、RIC補聴器は軽度から重度まで、非常に幅広い聴力レベルの方にとって選択肢の一つとなっています。
補聴器デビューにも再挑戦にも最適なRICタイプ
RIC補聴器は、その「高音質」、「快適で目立たない装用感」、そして「幅広い聴力レベルへの対応力」といった特長が、利用者の不安を解消するために設計されています。
特に、
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「補聴器を初めて試す方」
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「過去に補聴器の圧迫感や音質が気になって馴染めなかった方」
にとって、RICタイプはまさに快適に使い始めやすい、ベストな選択肢と言えるでしょう。
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